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鈴土 知明
信学技報, 103(740), p.55 - 60, 2004/03
パーティショニング法を用いて質量保存則が成り立つようにした2次元非同期セルオートマトン(CA)を提案する。このCAは分子動力学系に近い性質を備えており、かつ遺伝的アルゴリズムを用いたルール探索に適している。物理・化学系の創発的空間パターン形成現象のメカニズムの解明やそのシミュレーションに関して、このCAの有用性を議論する。
鈴土 知明
Complex Systems'98, p.364 - 375, 1998/00
原子炉出力の空間振動のようにミクロな要素が相互作用することによりマクロなパターンを形成する現象を理解することは容易ではない。たとえば、あるパターンを形成するミクロな相互作用を観察によって見つけることができても、そのパターンが形成されるため一般的な条件を求めることは困難である。セル・オートマトン(CA)は適用されるルールによって、様々なパターンを形成することが知られている。ある特定のパターンを形成する多数のルール群から共通する性質を導き出し、それを実際の現象に関連づけることができれば、現実の世界においてそのパターンが形成されるため一般的な条件を求めることができる。本報告では、そのような研究の第1段階として、結晶化を取り上げた。CAの結晶化から得られた一般的な性質は、相転移によって生じる現実の結晶化の性質と一致することが認められた。
海老原 健一; 渡辺 正; 蕪木 英雄
第10回数値流体力学シンポジウム講演論文集, p.280 - 281, 1996/12
流体現象を解析するメソスコピックな手法であるセルオートマトン流体の気液モデルによるパターン形成について考察する。セルオートマトン流体の気液モデルでは、2次元セルオートマトン流体に長距離相互作用を加えることによって、粒子の密度差による相分離の様子を見ることできる。この相分離によるパターンの出来方は、長距離相互作用の距離、粒子の密度によって変化する。今回は、この形成されるパターンの違いとセルオートマトン流体の圧力の変化との関係を中心に発表する。
藤村 薫; R.E.Kelly*
J. Fluid Mech., 246, p.545 - 568, 1993/00
被引用回数:25 パーセンタイル:73.95(Mechanics)傾斜スロット内の自然対流には、流体のプラントル数の値に応じて定在波(横ロール)、伝播波(横モード)、及び縦ロールの3つの異なったモードが生じ得る。本研究では、これら3モード間の非線形相互作用を弱非線形漸近理論を用いて調べ、解の分岐特性を明らかにした。その結果、異なるモードがほぼ同時に臨界となる場合、縦ロールが先に臨界となれば制御パラメターを増加させても縦ロールのみが安定に形成されること、縦ロール以外のモードが先に臨界となる場合には、縦ロールとそのモードの間の混合モードが安定となるパラメター領域が存在するが、パラメターの増加に従って最終的に縦ロールが実現されること等が結論された。